第八話
いよいよ全国大会が始まった。
体育館に向かう途中から見かける男子がジャージの長身だからけ。
「黒尾先輩とリエーフがいっぱいで蹴り飛ばしたい。背が高いってだけで威圧感有りすぎ」
「ねえ、サン?何でもボクを見ながら言うのかな?ボク先輩」
「知ってますよ?だからやらないじゃないですか」
「リエーフにならやっていいぞ」
「確実にローキックになるんですよね~」
「無駄にデカいからな」
「でもしゃがませればいいのか」
「それって確実に処刑スタイルだよな」
「ん~~~でもリエーフだし」
「「「「「そうだな」」」」」
「何で満場一致で納得するんすか!!!」
「「「「「「リエーフだし」」」」」」
「ひどいっす」
「ほれ整列」
体育館に到着し、まずは会場に一礼。
出入り口でも一礼し、割り当てられて場所に向かう。
「あーーーけーーんまーーーー!!!!」
「あーけーんま?」
「『あ、研磨』だろ。よう、おチビちゃん」
「「あーーー!音駒にマネがいるーーー!!!」」
「ふはははは!これが音駒の底力だ」
「すげーーー!さすが東京だな!!」
「そうだろうそうだろう!!!」
「アホ?」「アホだな」「アホばっかだ」
「初めまして、鳥野の清水潔子です」「谷地仁花です」
「音駒のマネになりました、です。お噂はかねがね」
「くだらない噂ですよね」
と、雑談を交わして別れる。
そしてギャラリーの音駒エリアで荷物の整理を。
「名は体を表すだな~」
「だろ!潔子さんは素晴らしい」
と手を組んで膝を付き天を仰ぐ神に祈るような仕草をする山本。
「素晴らしく無くて悪かったわね!!」
「ぐはっ!?」
その頭にハイキックをかましてやった。
「おい・・・虎・・・・・・生きてる?」
「山本ー!下降りてアップするぞ!!」
今日も音駒はいつも通りです。
2017/5/10