第七話
毎日バレーに携わり、帰ってからも勉強の日々。
色々教えて貰いながらの毎日で秋が深まる頃には色々理解出来る様になった。
そして全国出場がかかった戸美学園との試合が始まった。
対戦校の性格の悪さはすぐにわかった。
黒尾先輩より見かけが軟だから爽やかに見えるけど、腹黒さは良い勝負だろう。
そして本当に山本はバカだと思う。
あんな簡単に挑発に乗っちゃってさ。
そんな中、ボールを繋ごうとした夜久先輩が仕切りを飛び越えてボールを追いかける。
「ナイスファイト!!」
とにかくボールは繋がった。
けれどその代償は大きなものとなる。
「!とにかくテーピングでガッチガチにしてくれ!!」
「はぁ!?出る気なんですか?」
「当たり前だろ!!」
「夜久先輩って案外自信家なんですね。あ、自信過剰?」
「はぁ!?]
「俺が出なきゃ負ける!!とか思ってません?」
「なっ!!!!」
「大丈夫ですよ。仲間を信じてあげてください」
「・・・っ」
1年生が持ってきた椅子に座らせ、バケツいっぱいの氷の中に足を入れて貰う。
本当は夜久先輩の気持ちは分かる。
私の言った事が当てはまってるワケじゃない。
単に試合に出たいだけなのだ。
けれど無理をして更に悪化させれば全国大会への影響も出るだろう。
一緒に練習してきた仲間を信じて欲しい。
彼等は期待を裏切る真似はしないだろう。
祈る様に見ていたいけどスコアを付けなければならない。
そして最後に全てが『繋がり』、勝利をおさめた。
控室でも喜びがおさまらない選手たち。
「これで鳥野とも試合が出来そうだな」
「あ、翔陽にメールしないと」
「これでリベンジが出来る!!!!」
「またアイツラと試合か…。勝ちぬかないとな」
と盛り上がる選手を横目に、私は口を開いた。
「鳥野とか翔陽とか何ですか?」
「「「「「え?」」」」」
「何で固まるんですか」
「え?」
「あー・・・が来たのって鳥野との練習試合の後か」
「梟谷とはやりましたよね?」
「あれとは別に合同合宿があったんだよ」
「鳥野は宮城の高校」
「へぇ・・・」
「そこのマネが美人なのと可愛いのがいるんだよ!その対抗馬がお前だ、!!!!」
「なるほど・・・。というか、私は馬じゃないですけど」
「は大人しく子供産んだりしないだろ。サラブレッドだな」
「もしくは 先導馬」
「もしもし?馬で例えるの止めません?」
「待ってろよ、鳥野ーーー!!!!」
「聞いて・・・ませんよね」
何だかよくわからないけど宮城の高校との試合が待ち遠しいらしい。
2017/4/12