最終話
正直舐めてました。
なんなんですかこの人達。
滅茶苦茶格好いいじゃないですか!
どんな球も拾って拾って拾いまくって、繋ぎまくって、音駒のスタイル確立しちゃって。
テレビで見てたバレーって、スパイクがバシッと決まって終わる事が多いのに全然違うじゃん。
しかも何?
苦しいはずなのにニヤニヤ楽しそうにプレイしちゃってさ。
相手コートの選手たちもだけど、図体デカイのに子供みたいにはしゃいでさ。
見てて終わって欲しくないって思っちゃう様な試合を間近で見れた私は幸せ者かもしれないなんて思っちゃって。
ちょっとだけ、ほんと小指の爪の先くらいだけど山本に感謝(でも奢らせるのは継続するよ)した。
だから私は最高の笑顔で「お疲れ様」って出迎える。
で、試合が終わってからも「あの時は~」とか「ああしてれば~」とか反省してて。
木兎さんや鳥野のメンバーとも改めて話をして、帰りに先輩たちは泣い……て無い、という事にしておこう、うん。
それから学校まで戻って荷物の片づけをする。
「あ~ま~これで3年は引退で受験に入りまーす!」
「え?受験するんですか?」
「しますよ?ボク賢いんで」
「一応みんな進学する予定だからな」
「夜久さんはわかるきがするけど」
「ほらそこ!疑いの眼差し向けないでくだサーイ、特に!!!!」
「え~?」
「先輩方……お、お疲れ様でしたーーー!」
「トラ泣きながら大声ウザイ」
「狐爪に1票」
「ちょっとキミたち?」
ぎゃあぎゃあと続きますが、音駒はこんな感じで続いていく事でしょう。
そんなこんなでまだまだマネージャーしていこうと思います。
2024.04.25