ハイキュー!!

木兎光太郎

2.的外れな謝罪は余計に機嫌を損ねます

放課後になったのも気付かず、小見に連れられて部活へ。

「何で木兎さんは正座してるんですか?」

「あー・・・なんかと何かあったらしい。2時間目からこの状態」

「木兎さん、ちゃんとアップしないと怪我しますよ」

「うん」

「分かってますか?怪我したらバレー出来なくなりますよ?」

「うん」

「木兎さんの背中に羽が生えてます」

「うん」

「また先輩怒らせたんですか?」

「うん」

「なにしたんですか?」

「・・・・・・あかあしぃ~~~~~!!!!!」

「うわっ・・・男に抱きつかれるシュミ無いんですけど小見さんも見てないで剥がしてください」

「何でが怒ってるんだろ~~~」

「また無自覚で怒らせたんですか?」

「はい」

俺は再び正座をする。

「この間ファンの子に差し入れ貰った事では?」

「はっ!そうかも!?」

「違うだろ、赤葦。他校生と腕組んで写真撮ってたからじゃね?」

「はっ!そうかも!?」

の昼飯食った?」

「はっ!そうかも!?」

「心当たりありすぎですよ」

「えぇーーー!!!!!」

「とりあえず部活が終わったら謝罪すべきですね」

「何を謝るの?」

「悪いと思ってる事全てです」

「・・・・・・わかった。赤葦、悪いけど今日は自主練無しな!!」

「願ったりかなったりです」

そして練習が始まった。



「へいへいへーい!」

女子バスケ部の部室前でを待ち伏せる。

すると周りの女子が「じゃあ、明日ねー」といなくなり、二人きりになれた。

は黙って俺を見ている。

「ごめんなさい」

俺は直角になるくらい体を曲げて頭を下げた。

けれどからの言葉は何も無い。

首を捻ってを見る。

「何に対して謝ってるの?」

腕を組んで仁王立ちしてる

額から冷や汗がダラダラしてるのが自分で分かる。

「えーと・・・応援してくれた子と写真撮った事?」

「違う」

「その事腕を組んでた事?」

「へぇ・・・そうだったんだ」

「え?違うの?差し入れのお菓子貰った事?」

「食べたんだ?」

「すげー美味かった!」

「じゃあ、その子とお付き合いしたら?」

ニッコリ笑っては俺の横を通り過ぎようとする。

とっさに彼女の腕を掴んだ。

「何で怒ってるのか教えてください!!」

「知るか!バカ!!!!!」

「グハッ!!!!」

俺のケツに彼女のエナメルバックがヒットして前にコケる。

あまりにも突然でフライングも出来なかった。

じゃなくて!!!

立ち上がって後ろを見ると、はいなくなっていた。



2017/03/24