ハイキュー!!
3.自分の思いを伝えてください
梟谷男子バレー部の部室。
正座する俺を囲むように座る部員。
「本当に何をしたんですか?」
「って感情的に怒るヤツじゃねえし相当な事やったんだろうな」
「フラれたな、木兎」
俺は頭を傾げるばかりで何も返せない。
「早くしないと大会始まっちゃいますよ」
「女バスのが試合早かったよな?」
「荒れてるって聞いたし、さっさと仲直りしないとヤバくね?」
「直で聞くしかねえんじゃね?」
「もう一回告白でもすればいいんじゃね?」
「とりあえず、土下座でも何でもしてこーい!!」
と言われて部室を放り出された。
このままだとバレーにも身が入らないのは確かだ。
なので俺は女バスが練習してる第二体育館に向かった。
渡り廊下を全力で走り、体育館の扉を思いっきり開けた。
「!!愛してるから見捨てないで!!!!」
女バスの面々の視線が俺に集中した。
ティンティンと力なくボールが転がる。
「朝から沸いてんの?」
の冷たい声が突き刺さる。
そして肝心のは溜息を付いてに何か言って俺の方へ来た。
「こっち」
腕を引かれて体育館の外へ連れ出され、体育館の脇に移動した。
そして俺はをぎゅっと抱きしめる。
「ちょっ!?」
「好き好きちょーーー好き!」
「木兎!?」
「仲直りしたいし、ちゃんと謝りたいから怒ってる理由教えてください!!」
「・・・・・・」
「と話も出来ないなんて辛すぎる!フラレたらしょぼくれるだけで済まない自信もある!」
「・・・・・・」
「5、6年したら結婚したいくらい愛してるから見捨てないで!!!!」
「はぁ・・・・・・。今夜家に帰ったら自分の部屋をひっくり返してみて」
「へ、部屋ぁ!?」
「それでも分からなかったら、もう本当にフってやる」
それだけ言っては俺の腕からすり抜けて部活に戻って行った。
俺も部活に戻ると、
「部屋・・・ですか」
「部屋って事は今日中に仲直りは出来ないって事か」
「だったら気合入れて練習しろよ!」
悶々としながら一日の授業と練習を終えた。
家に帰って片っ端から荷物をひっくり返す。
ついでにゴミも捨てて行く。
すると山の中から『』と書かれたノートが。
そしてそのノートを持ち上げると下から『雀田かおり』と書かれたノートが出て来た。
「・・・・・・・何で?」
中を確認すると、どちらも古文のノートだ。
ちょっと待て!
事の経緯を思いだす。
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「そういえば来週に古典のノート提出だっけ?」
「ああ、訳だろ?成績に響くって聞いたぜ」
「マジで?」
「・・・・・・」
「「木兎?」」
「放心状態ですね」
「雀田!!ノート貸して!!!!」
「木兎に貸すと返ってこないから嫌だ」
「明日返す!絶対!!」
「忘れたらゴデ○バのシェイクだからね」
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でも何でのノートが?
つーか小遣いねえじゃん!!!!
のノートの前で正座をする。
すると・・・
「後でも先でも同じだから貸しておくよ」
って!可愛いカノジョは先に貸してくれてたじゃん!!!!
部屋の片隅で正座のまま泣き崩れた。
2019/10/28