ハイキュー!!

黒尾鉄朗

海からはじまる恋物語

夏の大会が終わって言い渡された二日間のオフ。

バレー部の面々と、海に行こうとなり電車に乗り込んだ。

自由参加なのにも関わらず、それなりの人数となった。

砂浜に着いてレジャーシートを広げ、荷物を纏めて置く。

そして各々好きな様に行動したした。

俺も準備体操をして、とりあえず海に入る。

泳いだりビーチバレーをしてりと遊んだ後、飲み物を買いに海の家に向かった。

「あ、おばちゃん焼きそば1つとコーラ1つね」

「はいよ」

「鉄朗!」

オーダーを通した直後、いきなり名前を呼ばれ誰かが腕に絡みついて来た。

どうやら女らしく、腕にしがみつきながら後ろを振り返っていた。

?」

横顔から判断するとクラスの女子で、

彼女の後ろに2人組の男がいた。

「彼氏一緒なんで」

彼女がそう告げると男達は舌打ちをして、背中を丸めて戻っていった。

にしても・・・枕に挟まれた前髪の如く、胸の谷間に埋まる俺の腕。

女生徒はみんなシャツの上にベストを着ているから体格が隠れる。

男子の間では女生徒のスタイルについて話題に上がるのもしばしば。

その中では「胸がデカイであろう」と話題に 良く上がっていた。

ビキニ姿を上から見下ろす限り、大きいのは分かった。

「いきなりゴメン、黒尾」

声と共に解放される俺の腕。

「いや、別に構わないけど・・・役得だし?」

「え?・・・いやっ!エッチ」

ビキニ姿が恥ずかしいのか、胸元を隠すように腕を組むけど逆効果だ。

余計に谷間がくっきりし、エロさアップ。

「それにしても、一人じゃないよな?」

「向こうに魅達もいるよ。飲み物買いに来たらナンパされた」

「はいよ、兄ちゃんお待ち!」

「おお、サンキュー」

店に金を払い、頼んだものを受け取る。

「コーラで良いならやるぞ?」

「え?良いの?喉カラッカラだったんだよね」

俺からコーラを受け取り、それを飲み始める。

彼女が飲んでいる間に、俺はもう1つ注文して品物を受け取った。

とりあえず近くの席が空いていたので、そこに座る事にする。

割箸を割り、焼きそばを掬う。

「焼きそば食う?」

「あ、食べたいかも」

「ん・・・」

「え?」

「ほら、あーん?」

焼きそばを口元に差し出すと、彼女は真っ赤な顔をした。

あ、ヤバイ・・・こいつ、可愛いな。

きっと俺の顔はニヤニヤしてるんだろうなと思うけど止められない。

「ほら。さっきの男たちが見てるぞ?」

「くっ・・・人の足元を見て・・・」

観念したのか、長めのショーットカットの髪を耳に掛け、俺の差し出す焼きそばを口に入れた。

伏し目がちの目や、髪を耳にかける仕草も色っぽい。

そうしても目が行くのが胸の谷間。

直に挟まれたら気持ち良いだろうな・・・・・・

「黒尾、顔がエロい。というか、さっきから胸ばっかみてない?」

「健全な男子高校生なモンで」

「残念ながらコレは彼氏のものです」

「いるのか?」

「いないけどね!」

「なら俺が立候補してやろうか?」

「そんなニヤニヤ顔で言われてもねぇ・・・」

「卒業前には口説くつもりだったし?健全に制服デートでもするか」

「服着てて良いんだ?」

「まずはの信頼得ないとな。お楽しみはその後って事で」

「ふーん?お手並み拝見って事で」

そして二人で皆の所に戻った。

合流した事で盛り上がり、気が付けば夕方になっていた。

「なあ、。とりあえず水着のままで抱きしめて良い?」

「いきなり名前呼びですか」

「なになに!黒尾とくっついたの?」

「は?」「ばっ!」

「バレー部が此処に来るって聞いて色仕掛けしに来たんだもんね」

と、彼女の友達がベラベラと話し出した。

「へぇ・・・色仕掛けねぇ」

「な、何よ・・・」

「いや、見事に引っかかったと思って・・・さっ!」

「きゃっ!」

俺は彼女の荷物を持ち、彼女を抱き上げた。

「んじゃ、は俺がテイクアウトって事で。じゃーなー!気を付けてかえれよ」

呆気に取られたアツイラを残し、俺は彼女と二人だけの時間を作り出した。



2016/08/30