ハイキュー!!

黒尾鉄朗

腕の中に閉じ込めてしまいたい。

「ただいま~」

誰もいない部屋にも挨拶をするのは習慣で、

しかもここは俺の部屋じゃない。

まあ、彼女の部屋なんだけど。

普段は互いの生活が違いすぎて会える日が少なく、

週末も予定やら試合やらで会えない事が多い。

だから週末はどちらかの家で過ごす事になっている。

今日は彼女が飲み会で遅いから、俺がこっちに来ている。

飲み会の日に俺の部屋にすると、酔っぱらった彼女が自宅に帰った事があったからだ。

ただ寝るだけになるとはいえ、一緒にいられる数少ない時間だしな。

電気を点けてワンルームの部屋に足を踏み入れる。

10畳の部屋にダブルサイズのベッド(寝相が悪いから昔からダブルらしい)が占領している。

ごちゃごちゃしてるのが嫌いな彼女の部屋はすっきりしていて、基本的に綺麗好きだ。

けれど今日はベッドの上に昨日着ていたであろうスーツの上下にブラウスがある。

「んー・・・」

壁に掛かっているハンガーを取り、スーツを掛けて戻す。

対面式のキッチンに入れば、流しにあるカップが複数ある。

アプリでのやり取りでは何も書かれていないが、どうやら精神的にキテるらしい。

とりあえず風呂をため、洗い物を済ませる。

風呂を済ませ、冷蔵庫にあったビールを飲みながらテレビを見る。

日付が変わる前にテーブルに置いていたスマホが振動してメッセージの着信を知らせてくれる。

電源ボタンを押し、画面に指を滑らせてメッセージを確認する。

『もうすぐ駅だよ~』の文字と沢山のスタンプ。

これはかなり酔っぱらっているな。

スマホをポケットに入れ、電源と電気を消して部屋を出る。

駅まで5分の道を歩き、改札前のガードレールに腰を据える。

どうやらまだ彼女を乗せた電車は到着していないらしい。

大きな音を立て、電車が駅に滑り込んでくる。

しばらくすると人が次々に出てくる。その中に彼女もいた。

「あ、クロ~」

ハートマークを飛ばしながら彼女が寄ってきて、俺に抱き着いて来た。

「おかえり。結構飲んだのか?」

「うん!つまらなかったけど美味しかった~」

抱き付いたまま顔を上げ、ふにゃっと笑う顔は年上とは思えない程可愛い・・・

とりあえず巻き付いている彼女の腕を外し、手を繋ぐ。

手をブンブンさせながら鼻歌を歌って歩く彼女。

エレベーターから降り、部屋の鍵を開けて「ほら」と部屋に入れる。

靴を脱いで部屋に入ると腕を引かれ、膝から上がベッドに転がった。

「鉄朗・・・」

スーツを脱ぎながら俺の膝上に乗ってくる。

あー・・・・・・こりゃ完全にスイッチが入っている。

普段の彼女は人前でベタベタする事を嫌う。

酒が入ると若干OKになり、酔っぱらうと先ほどの状態。

そして生理前だと性欲のスイッチが入るらしく、彼女から攻めてくる。

「んっ・・・」

肘をついて上半身を支えていると、彼女の唇が重ねられた。

こうなった時の彼女は煽情的でたまらない。

キスの間も目を閉じないで見ている。

彼女の手が、俺の下半身をまさぐる。

角度を変え舌を絡め、甘噛みしてくる。

離れていく瞬間、銀糸がまたたまらない。

再び重なるキスの主導権を奪うが、彼女の手が下着に入り込んで来た。

「もう、カッチカチ・・・」

「気持ちよくしてくれんだろ?」

「ん・・・」

段々と体が離れ、俺のスウェットと下着が降ろされる。

既に天を仰ぐ分身を彼女の手が包み込んだ。

そこに彼女の顔が近付いていく。

「ふっ・・・」

「くっ・・・」

口に含まれ、生暖かい感触に、自分のソレが更に硬度を増す。

舌を這わせ、手を上下に動かし、舐めまわす。

上半身を起こして彼女の頬に両手を添える。

「きもちい?」

咥えながら話されると、それさえも刺激になる。

「すっげー気持ち良い」

本当ならこのまま突き上げたい衝動に駆られるが、彼女が苦しむ姿はみたくない。

一生懸命しゃぶる姿を見て、俺は達した。

あー・・・飲み込んだよ。

口の端に付く白い液体を拭ってやる。

するとは洋服を全て脱いで、俺に再び跨った。

一度吐き出した所で俺のモノが萎える訳が無い。

がそれをささえ、一気に腰を落としてきた。

「くっ・・・」

「あぁーっ!」

「んー?・・・イッた?」

「はぁはぁ・・・気持ち良い・・・」

ナカをビクビクさせながらも、上下に体を揺らす。

俺の胸に手を当て、快楽を求める姿はなかなか拝めない。

既にピンとなってる胸の頂を摘み上げれば、ナカがギュッと締まった。

「すげぇな・・・」

「てつろっ・・・あんっ・・・」

「ん?イキたい?」

「い、イキたいっ!」

の腰を支え、下から思いっきり突き上げる。

彼女の眉がキュッとより、喘ぎ声の感覚が短くなる。

ナカがギュッと締まって、俺のナカに全てを注ぎ込んだ。




絶頂の後、はベッドにゴロンとし、そのまま眠りについた。

内腿に白濁したモノがあっても、それが気にならないくらい爆睡。

俺は指を差し入れ、ナカから吐き出したものを掻き出す。

「あーあ・・・出来てねえかな~」

頑張れ、俺の分身!

から迫ってくる時は、生理が近いしな。

まだ言ってはいないが、俺は結婚したくてたまらない。

この際、既成事実でも良いから俺のモノにしたいと思っている。

温かいタオルで体を拭ってやって、俺もベッドに横になる。

彼女の頭の下に腕を通し、腰を抱き寄せる。

彼女の温もりだけあれば、他に何もいらない。

それくらい惚れてる。

「なあ、・・・・・・愛してる」

額にキスをして、俺も眠りに落ちた。



2016/8/5