ハイキュー!!

黒尾鉄朗

眠るのは君の隣で。

私の朝は、鉄朗の腕から抜け出すところから始まります。

結婚して2年、その前に同棲してたのが3年で、かれこれ彼とは交際期間を入れて7年の付き合いになる。

同棲してからというもの、鉄朗は夏でも冬でも私を抱きしめて眠る。

その甲斐あってか、あのトサカ頭はなくなった。

真冬ならまだしも、真夏でも抱きしめられてると暑くて仕方ない。

一度そう本人に伝えたら、クーラーをつけて寝る様になった。

そこまでして?と呆れもしたし、友人にも呆れられたけど、逆にそこまでしてくれる鉄朗の気持ちが嬉しくもあるので文句は言わないでいる。

とまあ、そんなんで朝はその腕から抜け出て、シャワーを浴びて、朝ご飯を作りながら身支度を整える。

「おはよ」

洗面台で化粧をしていると鉄朗が起きて来て、私を後ろから抱きしめながらおはようのキス。

それから朝食の準備をしていると鉄朗がシャワーを終えて出てくるのでスポーツドリンクを渡しながらまたキス。

そして二人で食卓に着いて朝のニュースを見ながらモーニングタイム。

食べ終わって片づけをしてる間に彼が身支度を済ませ、一緒に家を出る。

同じ会社なので二人で電車に揺られて出社し、互いの部署へ。

私は経理課で鉄朗は資材課。

彼は会社のチームに所属してるので午前中の仕事が終わると午後から体育館でバレーボールの練習。

私が先に変えれる時は鉄朗の練習が終わるのを待たずに帰宅。

電車に揺られながら夕飯の献立を考え、足りない食材を買いにスーパーへ立ち寄る。

今は旬じゃないからサンマは無いけど、魚も野菜も新鮮で旬な物を選ぶようにしている。

料理は得意じゃないし、好きではないけど、鉄朗の為にならと頑張っている。

あれこれスマホでレシピを検索しながら明日の分の買い物を済ませて店の外に出ると「おつかれ~」と鉄朗の声がした。

「あれ?もうそんな時間?」

「店にが入っているのが見えたけど、ドラムバッグ持って中に入ったらオバサマ達から冷たい視線向けられちゃうから出待ちしてた」

そういって私の手から買い物バックを取り、持ってくれる。

そして反対の手で私と手を繋ぐ。

「今日は練習早かったの?」

「もうすぐ試合だし、怪我しない様に。そんでもってとのラブラブな時間の為に帰ってきたカンジ?」

「あは、ありがと」

二人並んで今日あった出来事などを話がながら家に向かった。



家に帰ると鉄朗はお風呂へ直行、私は軽く化粧を落としてルームウエアに着替えて夕飯の準備と洗濯物を取り込む。

夕飯を食べて片づけをして今度は私がお風呂へ。

ゆったりとした時間を過ごしてから風呂場を洗い、洗濯機を回してリビングへ。

冷蔵庫からお茶をだしてソファでくつろぐ鉄朗の隣に腰を下ろす。

テレビではバラエティ番組がかかっていて「これのスポンサー、研磨なんだよ」と番組の話や雑談をしたり、ゆったりとした時間が流れる。

しばらくすると私の瞼が重くなって、ブラックアウト。



「……、おーい、サーン、風邪ひく前にベッド行くぞー」

重い瞼をゆっくり上げると、鉄朗が覗き込んでいた。

「ん……洗濯物干さなきゃ」

「ボクがやっておきました」

「ありがと……」

「ほい、お姫様、寝る時間ですよー」

声と共に体がふわりと浮かび上がる。

いわゆる、お姫様抱っこだ。

だから私は彼の首に腕を回して落ちないように体を密着させる。

そして優しくベッドに下ろされる。

……」

甘く名前を囁かれながらキスをされる時はまだ寝ないでと言われているのと同じで。

私はそれに応えるように「鉄朗…」と名前を呼びながら彼を迎え入れるのだ。

そして2人でベッドの上で1つになる甘い時間と共に、夜を越え、再びいつもの朝を迎える。


2020.07.13