ハイキュー!!
マーキングは愛のあかし
五月の連休に早起きをしてバスに乗り込み観光をしてまわる。
夕方になる頃に宿に到着。
割り当てられた部屋に入って荷物を置く。
「~。宴会前に温泉行こう~~~」
「そうですね、お酒飲んだら入れなくなるかもしれないですね」
浴衣と着替えを持って先輩のさんと一緒に大浴場に向かう。
着ていた洋服を脱いでいく。
「ちょっ・・・!?」
「はい?」
すると周りにいた同じ会社の女性が次々に声をあげる。
「きゃー!」「すごーい!」
「え?」
「まあ、本人には見えないわよね・・・。凄いよ、キスマーク」
「え?」
脱衣所に備え付けられている洗面台の前に行き、背中を鏡に映す。
すると一面とは言わないけど、かなりの数のキスマークがあった。
「いや~ん!さんの彼氏って熱いんですね!」
「昨夜は寝かせて貰えなかったんですか~?」
なんて声が聞こえて来たけど、私の頭の中は真っ白だ。
「・・・・・・・・・・」
「凄いね、あんたの彼氏。色んな意味で」
もう・・・なんて言うか・・・・・・怒りがね。
次に会ったら文句言わないと気が済まない。
タオルで隠しながら温泉に入り、端でコソコソと着替える。
「・・・・・・見えてるね」
「・・・・・・(怒)」
さんに私的されるまでもない。
浴衣の合わせの部分、襟元、裾から見える足にあるキスマーク。
これでは浴衣でいられない。
私は急いで部屋に戻り、汗が引いてから洋服を再び着込んだ。
「あれ?浴衣じゃないんだ。現代っ子だね~」
宴会場に向かう途中であった上司に言われた台詞。
私だって浴衣の方が楽なんですけどね!
その男性の後ろからニヤニヤした男、黒尾鉄朗がいた。
「あれ?サンは浴衣着ないんだ?」
「・・・・・・」
飛びかかって首を絞めあげたい。
私が着れない浴衣を着てるし!!!(裾足りないけど)
そもそもキスマーク付けたのあんたでしょ!!!と。
幾ら睨んでもアイツはニヤニヤしてるだけ。
大声で文句言えないのは付き合っているのを公にしてないからだ。
とりあえず擦れ違う瞬間に、彼の腕をつねってやった。
食べるだけ食べ、飲むだけ飲む。
宴会にも飽きて来たのでトイレに立った。
お手洗いを出ると、壁に寄りかかる鉄朗がいて、私の片眉がピクリとする。
「よっ」
「・・・・・・」
「まだご機嫌斜め?」
「そりゃあね。なにアレ」
「キスマーク」
「知ってる!あの数!」
「ああ、凄いだろ?」
「威張る事じゃないし」
「だって浴衣着たら他の男がに惚れちゃうかもしれないじゃん?」
「はぁ?」
「そうなったら俺がフラれちゃうし、フラれたら泣く自信あるし」
「何言ってるんだか」
「はいはい。んじゃ、行こうぜ」
「どこに?」
「イイトコ」
鉄朗は私の手を引いてどこかに歩き出した。
エレベーターに乗り、着いた部屋のドアには『家族風呂』とあった。
「脱がせようか?」
「は?自分で脱ぐし・・・って、ちょっと!」
「もう見慣れてんだろ?先行ってるからな~」
目の前で浴衣を脱ぎ捨てた鉄朗は、浴室へのドアを開けて出て行った。
私も洋服を脱いで重ねられた真新しいタオルを手にして浴室へと出た。
そこは露天風呂で、月や星が輝いていた。
「凄い・・・」
タオルを淵に置いて湯に浸かって鉄朗の隣に並ぶ。
彼の横で同じように空を見上げた。
するとお湯が動いて私の体が鉄朗の足の上に移動した。
「ガッツリ浸かるとのぼせるよ」
「うん・・・」
「・・・・・・綺麗についてるな」
「何が?・・・・・あ。自分でつけたんでしょ!」
「まあねー。もっとつけるか」
鉄朗の頭が動いて私の胸元に移動する。
すると鎖骨の辺りにチクリと痛みが。
「ちょっちょっと!!!」
「あー・・・ヤバイ」
「な、なにが」
「すっげー綺麗」
「うん」
「が」
「え?んっ・・・」
唇が重なり、舌が入り込んでくる。
片腕が私の背中を支え、反対の手が太腿を撫でながら上がってくる。
「んぁっ・・・」
「良い声」
彼を受け入れる場所を指がゆっくりと往復する。
敏感な芽を掠められると腰が揺れてしまう。
「なんかヌルヌルしてきたんだけど」
「だっ・・・てっ・・・」
「あれ?なんか腰が揺れてるけど~」
「ちゃんとっ・・・してっ・・・」
涼しい顔してニヤニヤしてる男が恨めしく、彼の唇に押し付ける様にキスをする。
そして彼の下唇を食む。
「エロっ・・・」
「あぁっ!」
長い彼の指が入り込んできた。
腕が動く度にお湯がバチャバチャと音を立てる。
「いつもより感じちゃう?」
「ばかっ・・・」
「もう限界」
指が引き抜かれ、彼のモノが一気に入り込んで来た。
「あぁっ・・・」
「くっ・・・・・・力、抜けって・・・」
「む、無理っ・・・あんっ・・・」
彼の肩に手を置いて、身体を動かす。
鉄朗の手が私の腰を掴み、私の体を動かし始めた。
「はぁっ・・・あんっ・・・」
「ちょっ・・・待てっ・・・」
「無理っ・・・あんっ・・・あっ・・・」
「ヤベっ・・・イキそうなんですけど・・・」
「まだっ・・・ダメっ・・・・・あぁっ!!!」
まだイケそうに無かったのに、彼の指が敏感な芽を摘み上げた。
「いやっ・・・あぁっ・・・・」
「イケよ・・・くっ・・・」
彼の突き上げも激しくなり、私は頂点へ駆け上って行った。
そして彼も、私の中に欲を吐き出した。
「あー・・・」
「・・・・・・何」
「先に謝っとく。ごめん」
「は?」
何とかお風呂から上がり、脱衣所に。
汗が引いた所で洋服を着ると鉄朗が横で頭をポリポリと掻いている。
髪のチェックなどで洗面台に行くと、洋服を着てても見える場所にキスマークが。
「て、鉄朗!!!?」
振り向くと両手を前にして左右に動かしている。
「だから謝っただろ」
「何で!!!」
「いや~~~目の前でおっぱいがゆらゆらしてると・・・ねえ」
「ねえじゃない!!背中にだってつけるじゃん!!!!」
すると鉄朗が真顔になる。
「」
「な、なによ・・・」
「理性ぶっとぶ俺の身にもなれ!!!!」
「はぁ!?何逆ギレしてんのよ!?」
「そんなが浴衣だぞ?男がホイホイされんの見たくないんだ!!!」
「・・・・・・」
「浴衣だぞ?ちょっとずらせばオッパイポロリだぞ!?」
「・・・・・・AVの見過ぎじゃない?彼氏と二人じゃない限りブラはするしTシャツ着たりもするし」
「・・・・・・そうなの?」
「アホでしょ」
「着物と裸エプロンは男のロマンです」
「真顔で変な事力説すんな」
とりあえず途中で別れて部屋へ戻る。
けれど観光をして疲労した体にSEXをしてお酒も飲んだ私は早々に寝てしまった。
翌朝。
「ねえ、なんでキスマーク増えてんの?彼氏はこの旅行に来てるオトコか!!!」
彼氏のいないさんの追撃から逃げるのも大変だった。
2017/03/30