ハイキュー!!

黒尾鉄朗

いらないノウガキ

もうすぐ二学期の期末テストが始まる。

部活動は一切禁止になる為、帰宅時間が早い。

たまたま乗り換えの駅でに遭遇した。

「あれ?クロがこの時間って早くない?」

「テスト一週間前だからな」

「なるほど・・・」

「あー海行きてー」

「ちょっとその気持ち分かる。泳ぎたいってカンジ!」

「よし、泳ぎに行くか!後で○×駅待ち合わせな」

「何で私まで!?」

「泳ぎたいんだろ?海行く時間ねえし、区民プールだな。屋外あるし」

「彼女誘いなさいよ」

「喧嘩売ってんのか!?」

「はいはい。さみしークロに付き合ってあげよう」

「んじゃ、後でな」

手をひらひらさせて彼女が降りていく。

とは2駅違いで1年の時に同じクラスだった。

気さくでノリが良く、かなり良いヤツだ。

好きか嫌いかで言うなら、好きだ。

かと言って付き合いたいかと言われたら・・・・・・バレーがあるしな。

気軽に誘った自 分を後悔 するのは、プールに行ってからだった。




「・・・・・・なに?」

腕を組んで片手を顎に当てて考える。

目の前にいるの水着姿は授業中に見ている。

なのに・・・だ。

「いや、お前・・・・・・」

「な、なによ・・・・・・」

「すげえな」

「はあ!?」

目の前のは、まあ・・・昔風に言えばボン・キュッ・ボーン。

足もスラっとして足首がキュッてしてる。

区民プールだから水着の上にTシャツの類も着れない。

正直、目の保養だ。

いや、他の男の目に晒すのも・・・

「クロの目がエロい!」

「はいはい。んじゃ、泳ぐか」

「浮輪膨らませるからちょっと待って」

「ん?やってやろうか?」

「大丈夫」

そう言って頬をプクゥっと膨らませる姿が見ていて愛らしい。

そして一向に膨らまない浮輪に思わず笑った。

「貸してみな」

顔を赤くしてるが素直に浮輪を渡してきた。

そして息を吸い込み、一気に吹き込む。

「うわっ・・・さすがだ!」
「ほらよ」

「ありがとう!じゃあ、泳ごうか」

「待て待て、ちゃんと準備体操しろよ」

「はーい」

それからプールに入った。

小学生の様に浮袋を付ける

「なあ・・・」

「なーにー?」

「普通、ああやって乗るんじゃねえの?」

と俺が指差したのは1組のカップル。

彼女が浮輪の上に座ってる状態。

「えー?あれって乗るの大変なんだけど」

「そうなのか?手伝ってやるから、あれ、やれよ」

「なんか裏がありそう・・・」

プールサイドの方に寄り、彼女を座らせる。

「おしりだけ冷たい」

とか文句を言ってたわりに、引っ張ってやれば喜んでいる。

時折水を掛けると背中から反撃された。

エスカレートしてバタ足までしやがった。

「うわっ!クロの寝癖が無くなってる」

「ああ、風呂上りとかは、こうなんだよ」

目をまん丸にしてる

ある事が閃いて俺は浮輪を引き寄せた。

足の間に体を入れ、上半身を浮輪に乗せる。

「ちょっ!?」

「なに?惚れちゃった?」

ニヤリと笑って顔を寄せれば、真っ赤になった

あー・・・この体勢、めっちゃ胸の谷間が見える。

「なっ!?というか近い!」

「すっげー好きなんだけど」

「・・・・・・は?」

「俺のモンにしてえー」

彼女の腰に抱き着きつく。

丁度後頭部が胸の間になって気持ち良いって事は黙っておく。

そのままの体勢でプールを一周。

その頃になって「私も好きだよ」って小さい声で言われた。

嬉しさのあまりキスしたら怒られた。


2016/7/14