ハイキュー!!

黒尾鉄朗

Aventure~一夜限りの恋~

四つん這いになった彼女の腰をガッツリ掴み、その細腰をガンガンと突き上げる。

沿った背中に浮かぶ汗が、甘く上がり続ける嬌声が、俺の征服欲を満たしていくのが分かる。

「くろおっさんっ…もうっ…・」

声と共に背中のしなりが強くなる。

俺は突き上げる腰を止め、彼女の前に手を添えて上体を起こさせる。

「あぁっ…」

どうやら角度が変わっただけでイッてしまったらしい。

「早くね?」

「はぁっ…はぁっ…」

よがりっぱなしの彼女は声すら出ない様だ。

けれど俺はまだ満足していない。

「まだだよ…」

支えていた胸元から手を降ろし胸の頂を摘み上げ、反対の手で繋がっている場所の前にある敏感な芽を撫でる。

「やぁっ!!!!」

「でも腰、揺れてる」

彼女を支えながら腰の突き上げを再開すると、彼女はイヤイヤと言う様に頭を振った。




「鉄朗さん」

練習を終えて仲間内で飲んでいると、その中の一人、が声を掛けて来た。

ちゃんは結構可愛い顔をしていて、高飛車な所が無くて可愛がられている存在だ。

実際に自分も妹のがいたらこんな感じか?という様に対応している。

最後に店を出るとちゃんがいて、俺を待っててくれたらしい。

そして並んで駅までの道を歩き始める。

「あの…今鉄朗さん彼女いなかったですよね?」

「あ、そういう傷に塩を塗り込む真似はしちゃいけませんって言われたろ?」

「あははは。言われてないですよ」

「えー…?」

無慈悲で空気を読まない信号機が赤に変わったから足を止める。

すると俺の事を下から彼女が覗き込んできた。

「一度だけ…抱いてくれませんか?」

「は?」

「一度だけで良いんです。お酒の勢いで良いんです」

そう言った彼女の顔から笑顔は消えていて、断ったら泣きだしそうな顔をしていた。

「鉄朗さんが妹みたいにしか見てないのは知ってます。けど、一度だけ」

男なんて簡単なものだ。

今の俺にはちゃんを抱いて咎める存在はいない。

=彼女の腕を掴んで夜の繁華街に紛れ込む。

ネオンの『空き室』の文字を見つけて建物に入る。

「どれが良い?」

部屋を決めるパネルの前で問うてみたが「どれでもいいです」と返って来た。

確かにヤルだけの部屋なのだから何でもいいだろう。

適当に点灯してるパネルを押せば、下から鍵が出て来た。

それを持って部屋に向かう。

鍵を開けて中に入り、ソファの脇に荷物を置く。

いきなりベッドインと言うのも味気ないからと思ってソファに座る。

「鉄朗さん」

俺の上に跨ぐようにちゃんが座り、唇を重ねて来た。

彼女じゃないんだからヤル事ヤレばいいのか。

俺は舌を絡めて彼女に応え、ワンピースの裾から手を入れる。

そこからはもう動物の様に体を重ねた。

ここまでの快楽を得た事が無いらしく、泣いて怖いと言われた。

けれど面白いように跳ねる体を離してやる事は出来なかった。

「ありがとう、鉄朗くん」

夕べとは違う笑顔の彼女と駅で別れた。



そして日曜日を挟んで月曜日。

普段と変わらない生活。

体育館で会ったちゃんは普段通りだった。

練習が終わって後輩と飯を食ってマンションに戻る。

部屋番号の郵便受けを開けて郵便物を取り出して相手を確認する。

その中の1つに封筒があった。

いつもと違う竹の切手が付いていたので結婚式の招待状だと分かる。

「……っ!?」

裏返すとそこには別のチームの後輩の名前と『』と書かれていた。


2017.09.13