ハイキュー!!

黒尾鉄朗

リビドーの要求

ゆっくりと目を開けると、浮上した頭に見慣れない景色が映って閉じかけた瞼をもう一度勢いよくあげる。

「・・・え?っつー・・・」

驚いた瞬間に頭に走る痛みに手を持っていく。

「・・・・・・え?」

自分の手はここにあるのに、視界から手が消えない。

その手が自分の物では無いのに築いたのは、腰を後ろに抱き寄せられたから。

「・・・・んー早いな」

「え?」

背後から聞こえた声に覚えがある。

いやいやまさかね。

有り得ないと思いつつも身体を反転させようとしたけど身体が密着していて出来ない。

「え?黒尾さん・・・?」

「うん・・・・・」

寝ぼけながらも返事をしてくれたのは良いけど・・・は?どういう事??

「あ、もしかして覚えてない?昨日あんなに愛し合ったのに」

「あ、あいしっ!?」

私が声を上げようとしたら、彼の体が密着した。

それだけでは無くて、お尻に感じた固い感触!

男性だからってのは分かるけど、当たってるんですけど!!!!

「あー・・・このまま射れて良い?」

「だ、ダダだダメです」

「んー・・・でもさ」

私を抱き寄せる腕の力は緩まないし、お尻に当たってるモノは腰の動きに合わせて固さを増している。

「ちょっ!黒尾さ・・・っん?」

その瞬間視界が動いてベッドに背中が付いて、目の前に黒尾さんのドアップが。

寝起きなのに髪型があまり変わらないって・・・とか考えてたら彼が舌なめずりをした。

「思いださせないとな」

そう言いながら顔を寄せてきて、唇が重なった。



黒尾鉄朗はうちの会社のバレーボール部員で、全日本メンバーにも選ばれる実力者だ。

だから会社の内外にファンがいるらしく、バレンタインとか誕生日とか凄い事になる。

と言っても私とは部署が違うし、接点なんて【会社が同じ】と言う程度。

社員食堂とかで見かけるけど「背が高いな」「飄々としてるな」とか、

男性社員といる事が多くて、スーツはオーダーメイドかなって思うくらい。

私には恋人がいたし、特別な感情は持ち合わせていなかった。

けれど恋人とも三日前に別れて、友人達と飲みに行った。

ああ、そうだ。

その飲み屋に黒尾さん達が来たんだ。

私は接点を持っていなかったけど、友人が黒尾さんの連れと同期で一緒に飲む事になったんだ。



「・・・あっ・・・はぁっ・・・・ま、まってっ・・・・・・」

「何で?すげー気持ち良さそうなのに」

向かい合わせで彼の上に座る形だけど下からの突き上げが止まない。

私は彼にしがみ付きながらせり上がってくる快感を受け入れる。

「・・・っ・・・やぁんっ・・・」

「・・・くっ・・・・あんま・・・・締め付けないでくんない?・・・」

イッちゃうじゃんなんてニヤニヤ顔で言われても信じられない。

「・・・っ・・・ダメっ・・・イッちゃっうっ・・・・あぁっ!!!」

腰を捉まれて突き上げがスピードアップする。

私の口からは嬌声しか出てこない。

彼の首にギュッと抱き着くと、黒尾さんの腕が私を抱きしめた。

その時に彼の胸と密着して熱い身体に私の熱も上がる。

頭の中が真っ白い何かがパアンと広がり、彼に凭れ掛かる。

「くっ・・・っ・・・」

その時に密着している体が2、3度ブルっと震えて彼が達したのが分かる。

その瞬間に名前を呼ぶとか反則だ。

「・・・ふぅ・・・思いだした?」

「っ!?」

耳元で低い甘い声がする。

その声を聞いただけで身体に甘いものが駆け巡る。

「あれ?耳元で囁かれるの好きなのかな?」

「ちがっ・・・」

「今、俺のが締め付けられたんですけど。チャン、エロいね」

「いやっ・・・」

「ボクとしてはエロい彼女は大歓迎デス」

そう言いながら私の身体をギュッと抱きしめ、私のナカに入りっ放しのモノが硬度を増していく。

「ま、待って」

「待てません」

そして私の体が再びベッドに押し倒された。



*黒尾サイド*

高校を出て、大学に行き、バレーボールが出来る会社へ入社出来た。

順風満帆と言っても過言では無い人生になりつつあるのか?

ファンもいるし彼女もまあ、それなりにいる。

けれど時々社員食堂で会う女性が気になりだした。

何か特別な事も何も無い。

ただ気になるだけ。

(男、いるんだろうな・・・)

そんな思いを決定づけたのは定時を過ぎた社内だった。

エレベーターホールに設置されている自販機に向かうと、話し声が聞こえた。

こっそり見てみると彼女が電話で話していた。

「うん・・・何食べたい?」

彼女の顔を内容からして、彼氏の家に行くんだろうと分かった。

それから何度も社員食堂で見かけ、段々と元気が無くなっている様に見えた。

(何かあったんだろうか?恋人か?)

その謎も数日後に分かる。

バレー部員達と練習の後に飲んで帰ろうって事になって居酒屋へ。

暖簾をくぐると先に入ったが「あれ?じゃん」と言った。

「あーじゃん」

声を辿るとの同期の子達がいた。

その中には彼女もいた。

結局一緒に飲もうと言う事になり、座敷に移動した。

その際にさりげなく彼女の隣をゲット。

名前はで、彼氏と別れたばっかり。

「黒尾さん?」

なんて赤い顔で見上げられたら・・・ねぇ。

ねえじゃねえよ!ってツッコミを入れながら彼女の隣に居続けた。

そして彼女を送ると言う建前で彼等と別れ、ホテルへ直行。

先に言っておくと、ベッドで寝かせるだけの予定だった。

いや、ほんとに。

けれど抱き付かれてトロンとした甘ったるい顔で見上げられたら理性もきかないのが男ってモンで。

キスして脱がして揉んで射れて・・・・・・サイコー!

シーツを握る手を取って俺の肩に持っていけばギュッ巻き付いてくる。

舌を差し出せばチュっと吸われて絡みついて・・・・・・エロっ!!!!

自分の好きな女が自分だけに見せるエロさ程エロティックな事は無い!

出すモノが無くなるほど抱き合って、彼女を腕に抱いて目を閉じた。



案の定、起きたら彼女は昨日の事を覚えて無くて。

朝勃ちついでに悪戯したら取り返しのつかない事になってそのままHに突入。

いや~~~一晩寝れば元通りな俺の体って。

向き合わせで密着するのオッパイがまた気持ち良すぎて。

多分体の相性も良いんだろうな。

それからホテルを出て、俺の部屋に一緒に向かった。


2018/01/17