黒子のバスケ
大きな手
今まさに、私はピンチと直面しています。
うん、とりあえず頭を整理しよう。
今私の手を引いて繁華街を歩く男、木吉鉄平と言う。
まあ、3週間前から私の彼氏と言う人で(でれでれ)
木吉さんは私の大学の同期である日向君の友人で。
何かの集まりで飲んでた店に、ちょうど木吉さんが来た。
なんだか知らないうちに一緒に飲んでいて、意気投合。
皆で日向君の下宿先で飲みなおし花札大会になった。
そんなこんなで知り合って3年。
「これからも一緒に花札をしたりしたい」
なんて言われて付き合いだした。
木吉さんは背が高くて胸板厚くて優しいし面白い。
天然なところがまた良い。
抱きしめられて頭を撫でられたり手をつないだり・・・・・・
って、この「手」が問題なんだ!!!!!
木吉さんの手は大きい。
バスケでも『後出しのなんちゃら』とかで有利だったほど。
でも女にとっては、それが鬼門!
今までの彼女たちと話し合いしたいくらいだ。
いや、会いたくないけど。
「ここでいいか?」
立ち止って彼の視線を追いかける。
そこには煌びやかなネオンで『ホテル』の文字。
ああ、本当に入るんだ~なんて思ってるうちに中へと入る。
ささっと部屋を選んでキーを取る。
手は繋いだままでエレベーターへ。
無言のままだ。
無機質でのんきな「チン」というエレベーター音。
彼がキーで部屋を開けた。
ラブホっていうよりビジネスホテルの様な雰囲気。
部屋に気を取られていると、背後から抱きしめられる。
「俺とするの・・・嫌なのか?なんか上の空だし」
「えっと・・・・・・・したいような、したくないような?」
「何か理由があるのか?俺が原因なら言ってくれないか?」
「・・・・・・手」
「手?」
「その・・・・・・・木吉さんの手、大きいでしょ?」
「まあ、大きいほうだな」
「・・・・・・・・・・・・(ボソッ)私の胸、小さいし」
「は?」
「だから!私の胸が小さいから手にスッポリどころじゃないし!」
「なんだ、そんな事か」
木吉さんは「わははは」と笑い出した。
そして私の体を反転させ「よいしょ」と私を抱き上げた。
ドカドカと部屋の中へと進み、ボスっとベッドへ押し倒された。
「き、木吉さん!?先にシャワっ・・・・」
言い終わる前にキスされる。
リップノイズをさせたかと思うと舌が入ってきて私を蹂躙していく。
「3年待ったんだ。これ以上待てない。今すぐを抱きたいんだ」
私は彼に腕をまわし、思いに応えた。
「胸は大きさじゃなくて感度だよな。すっげーサイコー!」
と、行為の最中に言われた気がする。
2015/1/27