黒子のバスケ

氷室辰也

伸びた前髪

私がこの世に生を受けて18年、初めて彼氏が出来ました。

同じクラスの氷室辰也君。

日直で居残りした時に、彼から告白されました。

私は1年の頃から憧れていたけど、どこか雲の上の人みたいで。

彼から告白された今でも、まだどこか信じられなくて。

付き合いだして一緒に帰る様になったけど、

隣を歩くので精一杯というか・・・・・・

一緒にいるけど、どこか遠い感じがする。

なんていうか・・・学校説明会で来たイケメンを案内してる感じ?

氷室君は外国生活をしていたせいか、顔を見て話をする。

私は恥ずかしくて顔を見ていられないから視線が合わない。

彼と会話が出来るのは顔を見ないですむメールくらいだ。

そんな日が一か月続いた時、私は思った。

『lこんなの彼女って言えるのかな?』って。

そう思ったらネガティブ思想がグルグル。

そうなったら一緒にいるのが辛くなった。

辛くて辛くて毎晩泣いた。

2か月が経とうとした時、氷室君から話があるから教室にいてと言われた。

ああ、別れ話かなと思ったら泣けてきた。



「ごめん、遅くなって」

「ううん、大丈夫。それより・・・話って?」

「うん、、こっちきて」

机に腰掛けた氷室君に腕を引かれる。

開いた足の間に私は立たされた。

「あのさ、は俺が嫌いになった?」

「え?」

「付き合ってから会話らしい会話が出来てない。俺に幻滅しちゃったのかな?

それでも俺は、この手を離す事が出来ないんだ」

「違うよ!私の方が・・・・・・」

「どうしたの?」

「氷室君と一緒にいるとドキドキしすぎてダメなの。

なんで私なんかと付き合ってるんだろうって」

「ねえ・・・・・・」

そっと私の手が持ち上げられ、掌が彼の胸へ。

掌から伝わる彼の鼓動。

「俺もドキドキしてるよ」

「うん・・・本当だ」

すると彼が立ち上がり、そっと私を抱きしめた。

彼の鼓動が伝わる。

やっぱりドキドキはするけど、嫌なものじゃなくて

むしろ嬉しいドキドキだった。

「昨日より今日、今日より明日。俺はを好きになる。

だから君も俺をもっと好きになって」

そっと私の前髪に落とされたキスで、私のドキドキが更に早まった。



2015/1/31