第八話
次の日の練習の時に鉄朗と遭遇。
「あれあれあれ~?チャン、目の下が黒っぽいけど眠れなかったのかな~?」
と、ニヤニヤして言われた時には普段通りの彼に安堵した半面、殺意が沸きました。
「ビールジョッキに手羽先に正肉に・・・お前は?」
「私はグラスビールに皮に鳥ワサ」
告白された次の日に、何で焼鳥屋にいるんだろう。
練習帰りに呼び止められたからなんだけど。
告白の返事を聞かれると思ったのに向かった先がこの店で、正直・・・拍子抜けしてる。
頼んだビールが来たのでグラスを合わせる。
「で?向こうとどうなってんの?」
「ぶっ・・・単刀直入過ぎない?」
「告白してすぐ返事しろとは言わないけど、現状を理解したいからな」
「・・・・・・」
正直言って、誰かに聞いて貰いたい気持ちはあった。
だから鉄朗にかいつまんで話をする。
昔付き合ってた事。
遠距離でナイショで会いに行ったら女の人といた事。
自然消滅したけど寄りを戻したいと言われた事。
今の彼に恋人がいるけど私の返事次第で別れるって事。
あれこれ考えてる所に鉄朗から告白されたと言う事を。
「迷ってるって事はの彼への気持ちが残ってるって事だよな」
「・・・・・・良くわからない」
「それじゃあ、俺は?」
「わかんないよ」
「デスヨネ。身内みたいな感覚だったろ」
「うっ・・・」
「悪いけど、ボクはチャンとチューもエッチもしたいんですぅー」
「そういう事を店で言うな!?」
「どこで行っても同じだしぃ」
「語尾伸ばさないでよ・・・」
「チャンも誤魔化さないでよ」
「そんなつもりは」
「次に向こうと会うのいつ?」
「まだ決まって無いけど」
「んじゃ、会う時教えて」
「何で?」
「俺への返事はその二日後な」
「え?」
「期間決めないとダラダラするだろ?それこそ俺がお前と同じ感情を抱くことになるしな」
「うっ・・・」
「ちなみに。お前のデートの日は言わなくても大体わかるから嘘つくなよ?」
「えぇ!?」
「すいませーん!ビールおかわり」
これ以降、鉄朗がこの話題を出す事は無かった。
2018/05/07