ハイキュー!!

木兎光太郎

St Valentine's Day 2017

「はい」

「・・・・・・は?」

「はってなに、はって」

「いや、だって・・・」

「今は逆チョコってあるんだってー赤葦から聞いた」

「逆チョコは知ってるけど・・・木兎?」

「なに?」

「あんた・・・・・・が好きなんじゃなかったっけ?」

「好きだけど?」

「あ、義理チョコか」

「いや?大本命だけど?」

「・・・・・・」

ちょっと待って。

私は朝、普通に登校してきた。

そして教室に入って席に着いて鞄から教科書とかを取り出しててですね。

目の前に木兎が来ましたとさ。

って、それじゃあ終わってるじゃん!!!!

そもそも私に恋愛相談してた の木兎だよね!?

「つーか、あんた舐めてんの?」

「え?舐めて良いの?」

って顔を近づけてくるから思いっきり頬を押したら変な顔になって面白かった。

時計を見ると予鈴がなるまで10分ある。

木兎の腕を掴んで赤葦とやらの所に向かった。

で、廊下に赤葦クンを呼び出す。

「あなたが先輩ですか?初めまして、赤葦です」

「こちらこそ初めまして赤葦クン。で、何でこんな事になったのか簡潔に説明願います」

「こんな?」

「赤葦がに逆チョコ渡せって言ったからそうした」

「ああ、なるほど」

「あれだけで判断とか凄いな赤葦クン。ちょっと惚れそう」

「何言ってんの!?」

「木兎さんしょ ぼくれると面倒何で冗談でもやめてください」

「そうなの?まあいいや。時間無いし」

「最初はさんとやらの話しだったんですけど、毎日の様に先輩の名前が上がりまして」

「まあ、相談乗ってたからね」

「ある時から先輩の話の方が多くなったんですよ」

「なんでまた」

「時間が無いので続けます。なので木兎さん、本当は先輩が好きなのでは?と言う事になりました」

「ああ、なるほど」

「え?何でわかるの?」

「「分からないのは木兎(さん)だけ(なので)」」

「すっげーな二人共!初めて会ったのにシンクロしてる」

「そこ、感心するとこじゃありませんので」

「やっぱ赤葦クン気に入ったんだけどな 」

の好みって赤葦なのか!?」

「頭の回転早い人との会話って楽だし」

先輩の気に入ったは、多分木兎さんが俺の事を思うのと同レベルだと思いますけど」

「え?そんなに赤葦が好きなのか!?」

「あんた、どんなけ赤葦クンが好きなのよ」

と同じくらい?違うな、ちゃんの事を好きなくらい?」

「その違いがわからん」

はそれ以上に好きって事だな」

腰に手を当て仰け反りながら「はっはっは~」と笑う木兎。

「コイツ、アホだけど可愛いな~とか思ってます?」

「木兎は可愛いからね」

「それなら付き合えば良いと思いますけど」

「付き合うなら頭の良い方が好きなのよ」

「それを補う可愛さでカバーしてあげてください」

「もしもし?それってオレの事?」

「はぁ・・・・・・予鈴がなるからいっか」

「それじゃあ、失礼します」

「わざわざありがとう」

「ねえねえ、どういう事?」

赤葦クンと別れて教室に向かう。

背後から木兎が右から左からとヒョコヒョコしてるのが分かる。

私は立ち止って木兎を振り返る。

「木兎がちゃんと告白出来たら考えるよ」

「マジ?やったーーーー!」

飛び跳ねてる木兎を置いて、私は教室に戻った。




そして放課後。

友達と友チョコ交換をしていると名前を呼ばれた。

~~~」

振り向けば木兎が駆け寄ってくる。

立ち止るかと思ったら、そのまま近付いてキスされた。

「好きだーーーーー!!!!」

教室中で沸き立つ生徒達。

私は掌で顔を覆う。

その向こうで「どう?どう??」と木兎が動いてるのが分かった。

あ~~~私は賢い男が好きなのに。

こんな単細胞バカで良いのだろうか?

私は頬杖を付いて開いている手でチョコを1粒取り、返事の代わりに木兎に食べさせてやった。


2017/2/13