ハイキュー!!

木兎光太郎

差をうめる階段はお気に入りの場所

に告白され、付き合い出して半年が経った。

同じクラスになった事は無いけど、

赤葦と同じ委員会だった彼女の事は知っていた。

あの赤葦が嫌味を言ってもサラっと返すやり取りが見てて面白い。

そんな彼女から告白されたのも驚いたし、周りも「てんぺんちい」とか言ってたっけ。

よく分からないけど良い感じがしないのは分かった。

それをに言ったら「私の事を言ってるんだよ」って苦笑いしてた。

特別目立たないだけど、優しく笑う顔が好きだ。

俺の事を呼ぶ声も、優しい「ふんいき」があって好きだ。

そういうと「私も好きだよ」って微笑んでくれる顔も好きだ。

練習が終わって教室で待ってるを迎えに行き、

「おつかれ」って笑ってくれるのも好きだ。

「なんか俺ばっか好きな気がする」

何となく漏らした本音。

「光太郎」

「えっ!?」

初めて呼ばれた名前に驚いて振り向くと、

階段の1段上にいた彼女の顔が近付いてきてキスされた。

目を見開いたまま固まっていると、ゆっくりまつ毛を上げる彼女の顔を間近で見た。

その時の目がすっげー綺麗だった。

「もう一回呼んで」

「光太郎」

「もう一回」

「こう・・・っ」

段差のせいで目線が同じ。

キスもしやすくて思わず唇をふさいだ。

彼女の腕を取り、唇と同じように壁に押し付ける。

「はぁ~~~ちょ~~~可愛い」

照れて赤くなってる顔も、濡れた唇も何もかもが俺を煽る。

学校で欲情してもに嫌われるから我慢して帰る。

手を繋いで夜道を歩いていると、が口を開いた。

「階段って1段が23センチ以内なんだって」

「へぇ・・・そうなんだ」

「だから160センチの私が1段上にいると、木兎と変わらないくらいなんだよ」

「なるほど!んじゃ、これから毎日階段でキスしないとな」

「階段以外でしてくれないの?」

が望めばどこでもするけど」

でも多分、顔が良く見える階段が増えるんだろうな。

繋いだ手をブンブンと振りながら、彼女の家まで歩いた。


2016/09/28