ハイキュー!!

赤葦京治

俺は目上の人には敬意を払いますよ

*月×日 月曜日12:48

昼休みの食堂は、現代においての戦場だと思う。

限られたスペースに押し込まれるキャパを越える生徒、

入り乱れる食べ物の臭い。

弁当を作ってくれる母親に感謝しながら食堂へ視線を移す。

うちのエースの声が響いている。

他の部にも大型選手がいるけれど、木兎さんはその中でも目立つ。

良い意味でも。

あの様子からすると、練習でのテンションは悪くなさそうだ。



*月○日 水曜日12:35

母親の旅行により今日から弁当が無い。

朝練の前に寄ったコンビニにもめぼしい物がなく、学食に向かう。

食券を買って日替わり定食を受け取り席を探そうとすると、

「あっかあしーーー!」と叫ばれる。

声の主である木兎さんを見れば、隣が空いていた。

トレイを持ち、そこへ向かう。

「あ・・・」

「あ・・・こんにちは」

木兎さんの向かいには先輩がいた。

「ん?赤葦とって知り合い?」

「委員会が同じなんですよ」

「そーゆーこと」

「そうなのか!って、何委員会?」

「木兎と無縁のトコ」

「そんな委員会があるのか!それじゃあ俺わかんねえわ」

木兎さん、そこは納得するところじゃありませんよ」

「えっ!?」

「とりあえず木兎、座ろっか。煩いし唾が飛ぶし、シバクよ?」

「げっ!」

先輩って暴力的だったんですね」

「殴る蹴るはしないけど」

のノートはテスト前のひつじゅ・・・ん?なんだっけ?」

「「必需品」」

「そう、それ!」

「木兎のバカっぷり好きよ」

「んじゃ、付き合うか!?」

「バカな男を恋人にはしたくない」

「えーーー!あ!それなら赤葦は?」

「「は?」」

「赤葦頭良いし、背も高いしをお姫様抱っこも出来るぞ!」

「ねえ、赤葦・・・。よくコイツを先輩扱いしてるね」

口元に手を当て、顔を寄せてくる。

汗臭く無く良い匂いがするのは女性特有なのだろうか?

「こんなのでもうちのエースなので。目上の人には敬意を払いますよ」



2016/8/13