ハイキュー!!

及川徹

ある夏の日

夏休み最終日の練習。

青葉城西の体育館は冷房がきいている。

「10分休憩」

監督の言葉で選手がバラバラに。

俺は岩ちゃんと外に出た。

こういう時は頭から水を被るのが気持ちいいから。

ところが、外の水道に近づくにつれ、女の子の騒ぎ声が聞こえる。

最後の曲がり角を曲がると女の子達が水の掛け合いをしていた。

「・・・・・・女バスか?」

「だね。がいるし」

と言うのは同じクラスの子で、気さくに話す子だ。

呆気に取られて見ていた俺と岩ちゃんに気付いたは、ニヤっと笑って水の出ている蛇口を指で押さえた。

「うわっ!?」「ちょっ!?」

「水も滴るってヤツ?」

!まだ練習あんだぞ!?」

「着替えくらい持ってるんでしょ?」

「その前にさ・・・自覚、ある?」

俺は彼女に近づいていき、蛇口を再び押さえそうな手を取る。

「何が?って、ああ・・・・・・欲情した?」

「よくっ!?」

「岩泉真っ赤(笑)」

「お前な!」

「男ってスポーツブラでも欲情するの?」

「ちょっと!あんたデリカシー無さすぎ」

「そう?」

「あのね~ちゃん。チラリズムってだけで男は欲情するんです」

「ふーん・・・」

そして自分のビッチャビチャになってるTシャツの裾を絞りだす。

!!!!!」

「岩泉煩い」

!!」

俺は溜息をついて彼女の腕を高く上げる。

そして耳元に囁く。

「あんまり煽ると・・・襲うよ?」

「なっ!?」

隙あらば狙っていた彼女だ。

彼女の心臓まで届くように水に濡れて晒された首元に吸い付いて、赤い花を残した。


2016/10/25