ダイヤのA

真田俊平

YELL

グランドで準備体操を終え、全員で行う練習。

それを終えてトレーニングルームに向かおうと、後者に足を踏み入れた。

目の前から歩いて来たのは俺の彼女である

数人の友人と帰宅する様だ。

「帰んのか?」

「うん。じゃあね」

「ちょっ!?普通「練習頑張ってね」とかじゃねえの?」

俺のセリフにあっけに取られてる

え?俺が普通だよな?

「何で?」

「何でって・・・」

「「ははははは!さなーだ先輩愛されてない」」

振り向くと後ろで笑うみっしーまと雷市。

「お前ら何でいるんだよ」

「筋トレしろって親父が」

「監視を兼ねて俺もやれって監督が」

「はぁ・・・」

そのやり取りを見ていると友人がクスクス笑っている。

俺は手を首の後ろにやり、溜息をついた。

「頑張ってる人に「頑張って」って言うのは変だから言わないんだよ」

「え?」

「頑張ってるでしょ?」

「・・・・・・」

そんな風に小首をかしげられると・・・・・・

「まあ、それでも彼女であるからは言われたいのが男ってもんで。

 そうすると更にやる気が増すんだよ」

「「へぇ・・・・・・」」

後ろで腕を組み、片手をアゴに添え関心してる二人のバカ。

「そういうものですか?」

「そういうモンです」

するとが俺の手を握った。

そして下を向いたまま「頑張ってね、真田」と言った。

彼女の手を握り返し「最後に名前も呼んで」と伝えると、

真っ赤な顔をしながら俺の言う通り にしてくれた。

「じゃあ、帰るね」

帰ろうとする彼女の手を引き、掠める様にキスをする。

すると周りからも悲鳴やら何やらの声が上がる。

「気を付けて帰れよ」

ウインクをしながら言って、トレーニングルームへ向かう。

バタバタと足音が聞こえ、二人が追い付いて来た。

「ヤバくないっすか?アレ」

「~~~/////」

「ん~?何が」

「いや、彼女さん、真っ赤でしたよ」

「へえ・・・」

「・・・にしても、大胆っすね、真田先輩」

「俺の方が愛してるからな~」

「真田先輩って、そういうキャラだったんすか!?」

「ははははっ!んじゃ、トレーニングルーム行くか」

応援して貰った事だし?

今日も激アツな練習すっか。



2016/05/30