ダイヤのA

結城哲也

落書き

昨日図書室の後、結城君と一緒に帰った・・・というか駅まで送ってくれた。

塾に行っても勉強が手につかないし、ボケっとして電車は乗り過ごすし、

お風呂でのぼせそうになるし、パジャマのボタン掛け間違えてるし、

寝癖は直らないし、電車は乗り損ねそうになるし・・・・・・

なんというか、夢の中にいるようで。

でも学校の駅に着いて実感した。

改札を出て歩き出したら「おはよう」と声を掛けられたから。

朝から爽やかで素敵!なんてボーッとしてたら

「どうした?」と頭をポンとされた。

「もしかして・・・・・・待っててくれたの?」

「ん?そうだけど。とりあえず学校に行こう」

そして二人並んで歩きだした。

「足はどうなんだ?」

「さ、サポーターしてるし、歩くのはなんとか」

「捻挫はクセになるから気を付けた方が良い。うちの降谷も・・・」

もう緊張で何を喋って良いのか分からない!

結城君から振られる話題に相槌打つくらいしか!!!

そうこうしているうちに学校へ。

下駄箱で靴を履き替えていると、野球部の面々が結城君に話しかけていく。

「あれ?二人で仲良く登校?」

『鬼が現れた』

RPG風の効果音と共に現れた鬼、小湊君。

「おはよう、小湊」

「もしかして、ついに付き合い始めたとか?」

「ああ」

「へぇ・・・」

ニヤニヤしながら私をみる小湊君。

ここで視線を逸らしらら負けだ!

頑張って挨拶を返す。

するとすれ違 いざまに 「やるじゃん」って言われた。



付き合い出したからと言って、何か変わったワケでもない。

いつも通り授業も進んでいる。

ぼーっと授業を聞いているうちに、また思考がループする。

何というか・・・・・昨日のは夢?

でも朝待っててくれたし・・・・・・

その他に変わった事・・・・・・・・・・・ない。

自分の思考回路が変わっただけで何も変わって無い。

『初カレ?』なんてノートの片隅に書いてみる。

いや!書くだけで照れる!

そもそも彼氏なのかも謎!!!!!

あ~~~~~!!!

もう顔なんか百面相してるかもしれない!

バカみたいにグルグル考えていたら視界に腕が伸びて来た。

そして私のノートに

『末永くよろしくな』と書き込みがされ困った事態に。

記念に残しておきたくて、提出用のノートを新たに作る事になりました。



2016/06/06