ダイヤのA

伊佐敷純

中途半端な責任逃れ

青道高校を卒業して、関西の大学に来た。

高校と違い、大学の野球は若干『自由』というものがある。

とりあえず必死で生活に慣れていくうちに『彼女』というものが出来た。

同じ講義を取ってる女でと言う。

サバッサバした性格で、言いたい事も言う。

友達の話や漫画で見る様な女じゃなくて付き合いやすい。

たまに来て飯作ってくれたり、掃除してくれたり・・・

一人暮らしからすりゃ助かる。

寮生活で洗濯や掃除はしてたが、飯って言うのは天敵だ。

君子に教えて貰ってスーパーの野菜炒めセットを使ったメニューは出来る様になった。

けどレパートリーが少ないと飽きるワケで。

週末 の今日、新しいレパートリーを増やすために彼女が来た。

まあ、そんで泊まっていくんだけど。

と言っても初めての事じゃねえけど。

狭っ苦しいユニットバスを出て、部屋に戻る。

するとベットに寄りかかりながらが何か読んでいる。

「何読んでんだ?」と冷蔵庫から飲み物を取り出しながら聞いてみる。

「エロ本」

「ぶっ・・・はぁ!?」

キッチンで飲んでて良かった。

俺がふき出した水はシンクに流れて行った。

エロ本・・・・・・

「あぁーーーーー!!!!!」

俺はペットボトルを置いて彼女の元へ。

雑誌をひったくり、ぜえぜえと息を整える。

「こ、これはだな・・・あれだ!えーっと・・・陸が」

「ん?ああ、別に誰のでも良いんだけど」

「無理矢理にだな・・・・・・は?」

「へ?」

「おこ・・・・んねーの?」

「何で?」

「い や、こういうのって持ってると怒るもんなんじゃ・・・」

「そうなの?」

「違うのか!?」

「純は今までの彼女に怒られたの?」

「いや、寮だったし部屋に上げた・・・って、違う!」

「今までは知らないけど、私は怒らないよ。つーか、貸せ」

「何でだよ!?」

「見たいから」

「いや、だからだ何で・・・」

「純、ここに座りなさい」

「ハイ」

彼女がトントンと叩いた隣に正座する。

そして雑誌が奪われた。

またパラパラと捲っていく。

「おい・・・」

「どうしたらこんなに胸が大きくなるのかなー」

「そこ!?」

「大きい方が良いもんなんじゃないの?」

「はぁ!?しらねーよ」

「純はどれが好みっ!?」

雑誌を取り上げて君子の頭を支えキスをする。

「ここにいる」

そして再びキスで黙らせた。


2016/07/14