ダイヤのA
Jealousy ver.Sanada
先輩に誘われて居酒屋の扉を開ける。
すぐ傍にある衝立の向こうに自分の恋人が座っていた。
「あれ?」
「ん?ああ、俊平もこの店だったんだ」
「驚いたな」
すると向かいに座って女性が口を開く。
そして俺と視線が合うと、他のメンツも会釈してきたので会釈し返す。
「、誰?」
「ん?ああ、恋人の真田俊平」
同期で飲みに行くって聞いてたし、仲が良いのも知っていた。
ちゃんと恋人だと言って紹介もしてくれた。
けれど心の中にモヤモヤしたものがある。
「飲みが悪いぞ」
「ちゃんと飲んでますよ」
ジョッキを傾けてビールを飲む。
これで5杯目なんだから短時間では飲んでる方だ。
先輩と話をしてても考えるのはの事。
小さな店でひしめき合っているんだから隣の男と密着してるのは分かる。
男女2人ずつで異性同士で座る方が広く座れるのも分かる。
自分だって同じ状況に陥る事もあるのだから。
「・・・い。俊平!」
「あ、はい」
「気になってんだろ、彼女の事」
「あ、分かります?」
「さっきから俺の話し聞いてねえだろうが!!!!つーか少しは隠すとかしろよ!!!」
「はははは」
「笑って誤魔化すな。男も一緒に飲んでるの知らなかったのか?」
「いや、知ってましたよ」
「んじゃ、何を気にしてんだ?」
「何ですかね・・・・・・多分、妬いてるんだと思います」
「は?」
「それしか合う単語が無いですね」
「お前ら付き合い長かったよな?つーか同棲してるよな?」
「してますね。ついでに昨日もシたんでラブラブっすよ」
「聞いてねえよ!!!!」
「はははは」
それから野球の話題になってから意識は逸れた。
気がしてるけど頭の片隅で考えている。
「失礼します。俊平、先帰るね」
気が付けばが隣に立っていて、先輩に挨拶をして俺に声を掛けた様だ。
「あ、帰るの?ついでに俊平連れて帰ってよ」
「え?」
「コイツ、俺の話しの半分も聞いてねえから」
「嫌だな~バレてました?」
「バレバレだ、バカ。今日は出すから今度は奢れよ」
「わかりました。それじゃあ、お先っす」
そして先輩に挨拶をしてと一緒に店を出た。
するとの同僚がそこにいた。
「彼と帰るわ」
「んじゃ、またなー!」「彼氏さんも今度一緒に飲みましょう」と言いながら駅に向かって行く。
手を振って彼等を見送ると、が俺を見た。
「具合悪いの?」
「ん?んー・・・とりあえず帰ろう」
手を繋いで電車に乗り、家を目指す。
玄関を開けるとが入り、ヒールを脱いで上がる。
靴を揃えようと屈もうとした彼女を片腕で抱き留め、そして壁に押さえつけて唇を重ね合わせる。
「ちょっ!しゅんっ・・・んっ・・・」
彼女の言葉など意に介せず舌を絡める。
甘い吐息に混じって酒の匂いがする。
舌を絡め合ったまま、彼女のシャツをスカートから抜き取る。
「ふんっ・・・・」
右手を直接肌に這わせば、甘い声が聞こえてくる。
その声がもっと聞きたくて唇を解放し、首筋に吸い付く。
舌を這わせると甘い香りだけでなく、汗の味がする。
そんな事も今の俺には興奮材料にしかならない。
左手でブラウスのボタンを外し、右手でブラのホックを外す。
スペースの出来たカップの中に左手を差し入れる。
「あっ・・・」
既に尖って主張する頂を掠めるとが甘い声を上げる。
柔らかな乳房を揉むと共に上がる声。
右手をスカートの中に入れ、下着とストッキングを一緒に降ろしていく。
を支えながらストッキングを脱がすのは結構難しい。
と言うか、その時間も焦らされてる様な感覚になる。
彼女の腿を持ち上げつつ、ストッキングから足を抜く。
気が付けば鎖骨の辺りに真っ赤な印が残っていた。
彼女を抱き上げてリビングへ移動してソファに座る。
横抱きにして足の間に手を差し入れれば、そこは既にしっとりしていた。
自分の中指をペロりと舐め、俺を受け入れる場所に差し入れて行く。
「濡れてんじゃん」
「あんっ・・・しゅんぺ・・・」
俺の首に腕を絡め、甘える様にキスを強請ってくる。
左手で彼女を支えつつ、右手で彼女のイイところを擦りあげる。
「まっ…あぁんっ・・・・・・」
親指で同時に敏感な芽を触れば、ギュッと指を締め付けられる。
反り返った喉元に赤い印があって、自分でつけたのに欲情する。
俺はたまらず自分のズボンを緩め、彼女の体勢を変えさせる。
そしては俺の両肩に手を置いて、俺の分身を飲み込んでいく。
「はぁっ・・・あんっ・・・・・・」
薄らと濡れて張り付いているブラウスを脱がせてやる。
同時にブラジャーも落ちて、綺麗な胸が露わにる。
その胸が彼女の動きに合わせて揺れる様は何とも言い難い程妖艶な雰囲気を醸し出す。
下から軽く突き上げると彼女の眉がギュッと寄る。
「あん・・・しゅんっ・・・うごいっ・・・あぁっ!!!」
彼女の腰を支えつつ、下から勢いよく突き上げる。
口が開いてひっきりなしに甘い声を出している。
唇を寄せ、舌を絡ませれば溢れだす透明な液が口元を厭らしく照らす。
彼女の背を抱き寄せ、腰を擦りつける様に突き上げると彼女の喉が反った。
その締め付けに耐えかねて白濁した物を彼女の中に注ぎ込んだ。
このままじゃスラックスもスカートもソファも汚れるのが分かっているけど、彼女と体を離す事をしなかった。
俺はソファに凭れ、彼女は俺に凭れ掛かっている。
「・・・・・・どうかしたの?」
俺の肩に頭を乗せたまま、彼女が言葉を発した。
「んー・・・多分妬いたんだと思う」
「そっか・・・」と言いながら彼女がクスクスと笑う。
「笑う要素あった?」
「あったよ?私には」
「マジ?」
が上体を起こして俺を見て優しく微笑む。
「だって、私はいつもそう思ってるから」
「え?」
「俊平は自覚無いんだろうけどさ、女の子の視線、ピンクなんだよ?」
「そういう対象で見られてるのは知ってるけど?」
「そういう子も平等に扱うじゃない?俊平って」
そして勘違いした子が熱を上げて俊平が掌を返したように振っちゃうんだけどと続いた。
「俺が好きなのはだし」
「私だって俊平だけだよ?」
最後の方は言葉が掠れたけど、からのキスを受け止める。
妬いているのは自分だけじゃないのか。
長い付き合いだからだけじゃなく、そういうのを表に出さない彼女なのだ。
彼女の新たな一面を見た気がした。
「んっ・・・ちょっと!」
「わりぃ。でもあんな事言われたら激アツだろ?」
彼女のナカに入ったままのモノに再度力が宿る。
それを敏感に感じた彼女が真っ赤な顔をして俺を見た。
「つーワケで、もう1回な」
拒否の言葉を聞く前にソファに押し倒し、もう1ラウンド挑みかかった。
2017/06/12